過去・現在・現場

過去・現在・現場

うちの町家は、空き家になるまでずっと借家として他の住人が使っていたので(3世代ぐらい)、昔はどのような姿だったかを確かめる資料がありません。専門家の方々によると、色々な箇所が改修・改築されているようで、それらがどのような状態だったのか、何か手がかりはないものかと、同じ町内にあるお家を訪ねたのでした。

そのお家の方々は、見ず知らずの人達が突然訪ねてきたのにも関わらず、非常に温かく出迎えて下さり、さらに、借家人だった方々と交流があったようで、町家の昔の姿や、改修があった所の経緯、さらに町内のお祭りのことなど、こちらが期待していた以上のことを詳しく教えて下さったのでした。まさに大ホームランといった感じで、今後に向けて大きく前進したと思われます。

さらに特筆すべきは、そのお家は土間に織機があって、今も織りのお仕事をされている、文字通り現役の織屋建ての町家なのです。しかも、織機は今は珍しい紋紙式で、土間を掘り込んで足を踏むスペースを作り、真冬の今はその中に火鉢を置いて暖を取りつつお仕事をされているという…まさかこんな現場を生で見られるとは思いませんでした。ただの展示物とは全然違う生々しい魅力がそこにはありました。

こういう現場も、今回のような機会が無ければ、部外者の目に触れることなく無くなっていくだろうと想像すると寂しくなります。かといって、接待的・形式的な工場見学では、僕が感じたような生々しさは味わえないのではないかなあとも考えたりもします。

ちなみに、うちの方の町家の現場は、現在、中断・一休み中です。3月くらいには始めたいなあと思っております。