面白い織り

面白い織り

 

紅葉が色づき始めていますね(と人から聞いています)。町家の庭にも季節を感じる草木があればいいのになあと思いますが、残念ながら雑草を中心とした構成となっています。そういえば、南天(あるいは千両か万両か)がこのぐらいの時期になると赤く実をつけて庭を彩りますが、それくらいかなという感じです。
町家の裏の敷地のお宅の庭に桜の木があって、春には綺麗に花を咲かせていて、借景だけど素晴らしいなあと言っていましたが、この夏頃に全て取り壊されて更地になり、桜も切られてしまいました。残念でなりません。旧い家が取り壊される波はまだまだ続いていますが、こうも身近で起こると改めて寂しさを感じますね。
自分がよく付近を通るからかもしれませんが、最近では二条城の近辺でよく家や建物が取り壊されて更地になっていて、ホテルやゲストハウスの設立が予定されています。おそらく好立地で未開発の地域だったのでしょう。大阪万博も決まりましたし、あとさらに5年は観光面での好景気が見込まれるのでしょうか。

町家での角帯づくりは、引き続き進捗こそ順調ではないものの織っていて面白いなと思う感覚は大きくなってきています。これは、単なる織る作業の楽しさというのももちろんありますが、それに加えて、この角帯に使っている横糸は実は糸染めにちょっとした工夫を施しており、そのおかげで少しですがランダムな要素が加わり、織り進めて表れる模様が少しづつ変化します(本当に少しですが)。もちろん織り手(僕)は変化させようと意図していません。その部分が通常の製品づくりにはない面白さというわけです。そして、そのランダムさの傾向というか癖みたいなものが何となく掴めてきて、どうすればより良く見えるだろうかというところに考えが進んできていて、そのせいで時々手は止まりますが、単調にハイスピードで織っていくよりもこちらの方が楽しいかもと感じます。
通常は、糸染めはプロの染め屋さんにお願いして、その技術で綺麗な色を均質にムラなく染め上げてもらってそれを使っていますが、この均質にムラなくという部分をちょっと考え直してみると、また違う道も見えてくるかもしれないと感じています。そしてこれは、次の世代(時代)の染めという部分にも絡んでくることだと思っています。