定番も変化する

定番も変化する

 

同じものを量産しないという主義の服部綴工房でも、定番といえるような、長い間つくり続けられているシリーズがいくつかあります。

そのうちの1つは、金糸と銀糸だけで柄が表現されているものです。

服部綴工房では、現在では基本的に、金や銀を中心としたものはつくっていないので、ラインナップの中では珍しい部類になるかと思います。
しかしこれが、1つ売れれば1つつくり、ということの繰り返しで、途切れることなく続いています。

見た目はあっさりした雰囲気ながらも、金銀があることで、あらたまった場面でもつかいやすい…ということが、人気の秘訣かもしれません。

今週も、このシリーズを新たに2本、同時にそれぞれ別の職人さんにお願いしました。
といっても、もちろん同じものを2本つくったりはしません。
同じものをつくり続けるのは単なる量産で、おもしろさがありませんし、定番のシリーズの場合でも、少しずつ変化しながら現在に至るわけです。
そして、どのように変化を加えていくかが、大事だと思います。

 

 

定番のものを変えようとするとき、それまでの積み重ねや、続いてきたことが、制約になったり、逆にヒントになったりすることがあるな、と感じます。

別物のように大きく変え過ぎず、しかし、できるだけ前と同じようにならないよう差をつけて、という微妙な線を狙うのが重要で、それが難しいな、と思います。

今回つくる新たな2本は、
1つは、図案は既存のものですが、地糸がこれまでになかった新しい色になり、
もう1つは、地色は馴染みの色で、柄の形を新しいパターンに変えた図案で織ることになりました。

さらに1つ、もう少し大きく変える案が、頭の中にあるのですが、それが形になるかはまだ分かりません。実現すれば、これまでの流れを踏襲しつつも、一味違うおもしろいものになるのでは、と思うのですが…

長く支持されているシリーズなので、さらに変化させながら、この先も育てていかないといけません。
そして、同時に新たな定番をつくることの重要性も感じています。
なかなか狙ってできることではないと思いますが、チャレンジしていきたいですね。