京町家と綴機

京町家と綴機

京都にある古い建物で、一定の造りをしたものを京町家といいます。
最近では、京町家の造りを活かしたカフェやゲストハウスなども増えてきているので、以前よりは馴染みのあるものかもしれません。
そんな京町家の改修を前々より進めてきており、それが一旦、一区切りしました。

 

 

元々は曾祖父の建物でしたが、借家人の方が3代に渡って住まわれた後は、荒れるに任せて「あばら家」状態でした。
このまま朽ちて取り壊すのはもったいないということで、活用する方向へ舵を切り、まず建物の表側だけが改修され、綺麗になったのでした。

この町家は、「織屋建(おりやだて)」と呼ばれる構造で、建物の奥に織物を織るための織機を置いて、そこで仕事ができるような間取りになっています。
建物がある場所も、西陣の中心エリアで、織屋建の京町家にふさわしいのではないか、と感じています。

さて、そんな京町家の改修を始めたわけですが、それはカフェやゲストハウスにしたいからではなく、この建物を、服部綴工房の「ものづくりの工房」としてつかっていきたいという思いがあります。

 

 

まず、綴機を部屋におきました。
綴機(つづればた)とは、本綴を織るための織機です。

建物の改修の際、表側の工事とともに、一番手前の道路に面した部屋の床材を張り替えてもらい、その部屋に綴機を配置しました。
すると、部屋の雰囲気が一変し、とても綴機が映える空間になったように思います。大工さんに感謝です。
木の良い香りがしますし、格子から差し込む光が綺麗です。

綴機は、電力を全くつかわず、人の力だけで織る織機なので、大がかりな設備はなく、普通の部屋の中にたてることができます(なんなら分解して持ち運びもできます)。
今はまだこの1台だけですが、これから他の部屋も徐々に綺麗にしながら、だんだんと綴機や他の設備を増やしていき、魅力的な工房にすることを想像しています。

古い家を直すというのは、時間もお金もかかるもので、ゴールがいつになるかは分かりませんが…ゆっくりと、一歩一歩やっていきたいと思います。