超人の生活

超人の生活

基本的に、織り手さんには余裕をもってじっくりと織る作業に取り組んでもらいたいと考えているのですが、やむを得ない事情で、急ぎの仕事をお願いしなければならないこともあります。

今日も、そういう急ぎでお願いした帯が織り上がってきました。
かなり日数に余裕がなく、実現可能か分からなかったのですが、引き受けてくださった方がいたのでした。

その織り手さんは、御歳86歳(もう87になられたかも)。
うちでお願いしている織り手さんの中では上から2人目です。
最高齢はなんと90歳(!!!)の方ですが、仕事量とその質をとってみると、この86歳の方が上を行くというか、織り手さん全員と比べてもトップランカーというか、もう本当に驚愕の実績といえます。

今回できあがった帯にしても、柄部分の丁寧さと正確さ、無地の質感や滑らかさ、そして作業の速さ。短納期にも関わらず、本当に素晴らしい仕事だと思います。
ご本人は、昔に比べてスピードや精度が落ちて…と仰いますが、まだまだ若手の追随を許していないと感じます。

そんなこの織り手さんは、休まず絶やさず仕事を継続してされる方で、朝起きて日が落ちるまでみっちりずっと織機に向かい、時に気になる箇所がある場合は夜になっても作業は続く、、といった生活を基本的に毎日されている、と聞いて驚くほかありません。86歳の方です。

 

 

僕にしてみると、そんなの超人としか思えないわけですね。
背筋はしゃんと真っすぐ伸び、杖もつかずにいろいろお出かけになり、頭も言葉もクリアだし、今も向上心をもって仕事をされているのを見ると、世の中すごい人はいるもんだなあ、と感服してしまいます。

元気な織り手さんは、皆さん同じように「仕事があるおかげ」ということを仰います。
僕も平均寿命くらいまで生きるとして、超人みたくはなれなくとも、元気に暮らすためにも、今の仕事を続けていきたいものです。