図案の発掘と整理

図案の発掘と整理

 

先の自粛期間中、町家だけなく仕事場の方でも大規模な整理整頓が行われたわけですが、その時に出土(?)したものの中に、古い図案がありました。
上の写真はその1つです。
履歴を見るとだいたい20年~30年ほど前のものが多く、古いものだと40年ものまで。
コピーやプリンタ出力ではなく、紙に直接描かれているものがほとんどです。時代を考えるとそりゃそうか、とも思います。

色彩があるものはほとんどなく、写真のような枠線だけの絵の中に配色番号が書かれていて、それと実際の配色の色糸とを照らし合わせて織る、という作業指示です。
今では、画像編集ソフトで着色したものを出力していますが、以前はこのような形で織り手さんは仕事をしていたわけで、これは今よりも想像力が問われる仕事だったのだな、と思います。
そして、同じ図案でも、織り手さんの感性によって、出来上がりに大きく違うだろうし、個性も色濃く出ただろうと思います。

そして、こういった図案が段ボール箱数箱にわたってごろごろ出てきたわけです。
配色糸が残っているもの、色見本だけがあるもの、どちらも残っていない紙だけのもの、と状態もさまざまです。
用紙の劣化もあり、図案そのものを再利用する可能性は限りなく低いと判断しましたが、現物をそのまま残す方向で整理を進めています。
資料として、実物を見て面白がってもらえる可能性はあると思うので。

とりあえず、丸めて保管してあったものを平たく収めるために、紙にアイロンをあてて…というところからスタートしていますが、数も多くてなかなか大変です。
まだまだ先は長そうです。

 

 

残っている配色糸も整理を進めていますが、それらを見てて思うのは、昔の方がいわゆる「攻めていた」のだなあ、ということです。
上の写真の青い糸の実物は、写真よりもずっと鮮やかで濃いのですが、今、こういう色を配色につかうことはほとんどありません。
もちろん、これが全てではなく、落ち着いた配色のものも多くありますが、幅の広さという観点では、今の方が狭いな、と感じます。
昔に比べて「余裕」のようなものが無くなっているのかな、と思います。業界が縮小しているのだから当然かもしれませんが。
このあたりは、整理を進めながら少し考えてみたいと思います。