染め場の稼働

染め場の稼働

 

 

 

町家の工房としての改修は地道に進んでいて、この度、染め場が出来上がり、稼働し始めました。
糸を染めるための作業場です。
今でも、糸染めの大半は染め屋さんにお願いしていますが、一部、草木染めのものなど、自前で行っているものもあり、その作業を町家の中でできるように整備をした、というわけです。
これで、例えば町家に来てくださった方に作業を見てもらうこともできるようになります。
これまでは自宅内で染めをしていたため、難しかった部分です。

場所は、町家の通り庭(玄関から続く土間)にあって、おくどさん(かまど)のさらに奥に設置しました。
シンクを2つ置き、その横にガスコンロを乗せる台を配置しました。
元々あったおくどさんは、いろいろと破損していて実用はできないので、天板をつけて作業台として活用しています。
当初は、中庭にこれらの設備をつくることを考えていましたが、季節の寒暖や天候にも左右されやすいので、屋内になりました。
おかげで、なかなか他に類を見ないような染め場になっているのでは、と思います。

なぜ自ら染めを行い、その場所までつくるのか、というと、これはもう、将来を憂慮して、の一言に尽きます。
これまでにも散々言われていることですが、西陣織の発展の礎だった分業体制が高齢化などにより成り立たなくなってきています。
染め屋さんの話では、コロナ禍により同業者の廃業が加速している、とも聞きます。
こうなると本当に、仕事を頼めるところが無い、という最悪の事態を想定すべきで、その対策を今、地道に進めているというわけです。
簡単ではないでしょうが、ゆくゆくは今染め屋さんにお願いしていることも自前でできるようにならないと、と考えています。