染め場の稼働2

染め場の稼働2

 

 

先週に引き続き、町家の中に新しくできた染め場にて、糸染めをしていました。
先週は紫根染めをしていましたが、今週は紅葉をつかった草木染めです。
紅葉の草木染めは毎年行っていて、仕事場の表の庭にある紅葉の木から枝葉をいただいています。つまり、自前の植物をつかった草木染めです。

毎年、夏のこの時期になると、枝や葉がうっそうとなってくるので、それを間引く形で刈って、集めたものをすぐに染液の抽出につかいます。
山盛りの枝葉を水に浸けて、それを火にかけて加熱すれば、紅葉の染液の成分が出てきます。これが草木染めの元となります。
秋に紅葉する前の季節の枝や葉には染液の成分が多く含まれていて、綺麗に染まるのです。

そうして得た紅葉の染液と媒染剤とを反応させるかたちで、絹糸を染めていきます。媒染は化学反応。植物の成分と媒染剤の成分が反応して、色を糸に定着させます。
今回つかった媒染剤は、鉄、銅、アルミ、チタン、錫(すず)の5種類。
鉄はグレー系、銅は茶色系、アルミと錫は黄色~クリーム色、チタンはオレンジ系の色にそれぞれ染まります。

 

 

しかし、新しい染め場はつかいやすくなったと感じます。
以前は、自宅の庭の決して広くないスペースで複雑な媒染の工程を行い、流しも1つだったため作業効率もあまり上がらず、いった具合でしたが、今やそれらが全て改善されています。
これにより、量をさばくこともそうですが、ひとつひとつの染めを今より丁寧にできるようになり、質も向上できるようになるのでは、と考えています。

これで町家の中は織る環境に加えて、染める環境も整ってきました。
古い町家を工房にしたい、という思いがだんだんと形になってきました。
この調子で、ゆくゆくは、うちのものづくりの多くの部分をこの建物に詰め込めたらいいなあ、と考えています。