世代交代について

世代交代について

「世代交代」と聞いて、良いイメージと悪いイメージ、どちらを思い浮かべる人が多いでしょうか。
一般的には、古いものが刷新されて、新しく鮮度の良いものが入ってくる、という感じでしょうか。
自分が古い側か、新しい側のどちらにいるかで、考え方も変わってくると思いますが…

良いイメージの方が大きく、歓迎されることの方が多そうな「世代交代」ですが、こと伝統工芸の世界では、手放しで喜べることでも無いと言えます。
特に、ものづくりでの分野では、熟練した高齢の職人が持っているものの方が若い世代のそれよりも圧倒的に多く、そしてその大部分がきちんと継承されていないからです。
新しく入ってくるものが貴重で重要なのは当然ですが、それと交代して失われていくものが大きすぎます。

 

 

「どういうところを目指しているのですか?」といったことを問われたことがあって、改めてそのことに思いを馳せてみると、この「世代交代」ということに行き着くのですね。
「売上拡大」「高い知名度」果ては「世界に進出」など威勢の良いことを掲げるべきなのかもしれませんが、(実現できるかはさておき)あくまでそれらは手段であって、本質的な目的は「続けていくこと」、そしてそのために「世代交代」を目指す必要があると考えているのです。

僕は今、どちらかで言えば新しい側にいますが、古いものをきれいさっぱり無くして、新しい自分たちのものを広げる…といったことは全く考えておらず、失われる古いものをできるだけ少なくして、新しく入るものをなるべく多くする、ということを考えて動いています。
身の周りの実に狭い範囲しか手が行き届きませんが、確実に歩みは進んでいると思います。
そして、まだまだ未来のことでどうなるかは分かりませんが、自分の次の世代へ上手く交代できれば最高だな、と思います。