どうなるチャレンジ3

どうなるチャレンジ3

 

いわゆる、アルミ媒染液というものがあります。
金属のアルミニウムが中に溶けだしている液体なのですが、これは主に草木染めに使われるものです。うちでも使っています。
植物に含まれる成分と、液体の中のアルミが化学反応を起こし、発色します。(これを媒染といいます)
植物にもよりますが、うちでは紅葉や柳で染めることが多く、その場合、概ねクリーム色のような薄めの黄色系になります。
このアルミ媒染液、媒染以外にも、糸にある影響を及ぼすのですが、それは、「糸に撥水効果が生まれる」というものです(少なくとも綴の絹糸の場合)。
糸の量にもよりますが、ものの30分ほどアルミ液に浸けた後、完全に乾かした糸を水を張った容器の中に入れようとしても、水の上に糸が浮いて、一向に沈もうとしません。糸が水を弾いているのです。手で無理やり押し込まないと沈みません。

 

 

話は変わって、綴では基本的にムラなく綺麗に均一に染まった糸を使って織るので、無地場でも柄部分でも、多くの場合、仕上がりはツルっと滑らかな感じになります。
2色の糸を混ぜ合わせる「割杢(わりもく)」という技法もありますが、割杢の糸は色と色との境目などに用いることが多く、柄の広い範囲や無地場を織るのには向いていません。
このツルっと滑らかな感じの風合いというのは綴の持ち味でもありますが、逆に言うと、どれだけ柄や配色を工夫しても、その「綴の感じ」の中に納まってしまうのが課題だな、と考えていたのでした。
解決方法としては、あえてムラになるように染めた糸を使う、ということを考えましたが、濃淡や染まる範囲が完全に不規則な糸をどのようにつくるか、が難点でした。

 

そこで、アルミ媒染液が登場してくるのですが、
これによる撥水効果によって、糸を染料の入った容器につけても、糸が染液を弾いてすぐには染料が糸に定着しない、半ば無理やり染液の中に浸けていくので、染まる所と染まりにくい所に差が出てくる、そして、アルミ液の浸透具合にも差が出ると考えられるので、さらに不規則な染まり方になる…
という仮説をたてました。
つまり、まだ結果は出ていませんが、近々実行に移される予定です。
果たしてどうなるか…染めてみて、さらには織ってみないと分かりませんが、1つのチャレンジです。