赤と活用

赤と活用

 

唐辛子か、そういった香辛料が大量にある写真かと錯覚する(かもしれません)が、綴につかう絹糸です。
とにかく赤、赤色です。朱色に近い赤。
この系統の色は、昔は人気があったそうです。柄の配色はもちろん、地糸にもよく使われたとか。そういえば素無地の帯が1本まだ残っている。
時は経ち、色の流行りも移り変わり、無地にはもちろん、柄にもこういう色がだんだんと使われなくなり、今現在、昔に染めた朱色系統がたくさん残っています。

この写真の糸は、元はずっと管に巻かれたまま置いてあったもので、要は使いっぱなしだったということ。
そして、この小口の糸はまだまだ序の口、棚の中には、もっと大きなスガの糸がどっさりと入っているのです。
良い時代から良くない時代へ。その変化の中で、捨てられることはなく、しかし使われることもなく保留され、今まで残ってきたのだなあ、と思います。
なにか良い活用ができないか、常々考えていますが、何しろ我が強い色で、使いどころに困るものだから、ピンとくるアイデアをなかなか思いつけずにいます。

 

 

この赤い糸に限らず、僕はよく「活用」という言葉を使っている気がします。
新しくものを生み出すときは「活用」とは言いません。
既にあるものを活かして用いることを「活用」と言う…と勝手に思っています。
そして、さほど長いわけではないとはいえ、これまでの歴史で積み重ねてきた様々なものが周りに既にある。これは本当に幸いなことだと思います。
もちろん、活用することが全てではないし、その道が見い出せない場合は、潔く断ち切って新しいものを取り入れる必要がありますが、古いものを好む性分か、はたまたものを捨てられない貧乏性か、僕は活用ということが好きなようなので、糸1つとっても、何かに活かしていやりたいと思うのです。