帯の見せ方について思うこと

帯の見せ方について思うこと

さまざまな柄、さまざまな配色、そしてさまざまな織り方。
数は減ったと言えども、世の中にはさまざまな帯があって、今も作られています。
そんな帯を展示する方法としては、今もそのほとんどが、撞木(しゅもく)という道具などに帯を「掛けて垂らす」というやり方なのではないか、と思います。
日本全国あまねくその現場を見たわけではありませんが、長い帯を棒状のものに掛けて垂らして、見せたい箇所を前面に出す、というやり方が一般的ではないでしょうか。

この業界に入って色々教わり、これが普通のやり方なのだな、としばらく思っていましたが、ふと、この「掛けて垂らす」以外の見せ方はないのだろうか?と考えることがありました。
大体どこでも同じような見せ方になっていて、何か他の(独創的な)方法を採用しているところが見当たらないことが気にかかりました。
しかし、帯(に限らず反物)の薄くて縦に長いという形状、土間ではなく座敷などでの展示が多いことを考えると、これが合理的なのだろうな、という考えに落ち着いていました。

 

 

さて、以前から続いていた仕事場の改修も大詰めを迎えています。
いろいろなものが刷新されましたが、中でも最も新鮮なのは新しく設置された商品を保管・展示するための大きな棚です。
この棚、構想段階から帯を展示できるような仕様にできたらな、という思いがあり、大工さんとのあれやこれやのやり取りの末、写真のように帯をお太鼓の形にして展示する、ということが実現しました。
つまり、「掛けて垂らす」以外の見せ方です。
と言っても、新しい展示方法の提案や、これを主流にしたいといった大層なものではなく、それよりも、これまで見てきた帯がまた違った見え方になるのではないか、ということが、つくる立場としては楽しみでいます。
その帯を着る立場、つかう立場の人が、これについてどのように感じるか、というのは気になるところです。
ともあれ、商品の見せ方については、もっといろいろな方法が出てきたら面白いのにな、と思っています。