茜で糸を染めた話

茜で糸を染めた話

先日、「茜」を掘りに行った話を書きました。

『茜を掘りにいった話』
http://hattori-t.com/2021/06/26/akanewohoriniittahanashi/

そして、その時に採らせていただいた日本茜をつかって、草木染めを行いました。
茜の草木染めは去年から始めていて、これで2回目です。
前回の経験や、いろいろ教わったことで分かったことも多いですが、それでも茜染めはまだまだ不明な部分、未知の事柄が多くあります。
そんな中、今までの軌跡をなぞるようにスタートします。

茜の色素は根っこから出るので、最初から根のみを持ち帰っています。その根っこを鍋に入れて火にかけて煮出します。温度が上がるにつれてだんだんと色素がお湯の中に出てきて、色が赤茶色に変わってきます。
並行して、媒染の準備を進めます。今回はすべてアルミ媒染で色を出します。先媒染のため糸を事前にうすめたアルミ媒染液の中に浸けておきます。
そして茜の色素が充分に出たら、染液のみを別の容器に移し、その中に充分に媒染液に浸かった糸を入れて、いよいよ色を染めていきます。
ちなみに、色素を採った後の茜の根っこは、これで終わりではなく、2回目以降もまだまだ使います。むしろ2回目以降の方が重要になってきます。

日本茜は大きく分けて「黄味がかった赤・オレンジ系」と「純粋な赤・ピンク系」の2種類の色が出ます(アルミ媒染の場合)。
最初に色素をとった染液に糸を浸けると「黄味がかった赤・オレンジ系」の色が染まります。
2回目以降も、濃度や若干の色の違いはありますが、同様の色になります。
分岐点は4回目からで、非常に不思議なのですが、ここで染液に「米酢」を入れてから糸を染めると、一気に「純粋な赤・ピンク系」の色に変わります。
この一連の流れは去年と同じで、きちんと再現性があることに驚きました。
何らかの成分が反応していると思われますが、ここはまだ分かりません。まるで魔法のようであり、神秘的でもあります。

そして、ここまでの、2種類の色に染め分けるというところまでは、去年と同じ。
今回はその知見を活かして、さらに少し試してみました。
まずは2つの色(黄味と赤味)を混ぜてみます。先に黄味系の染液で染めた後に、赤味系の液に浸けて染め重ねます。そうすると(予想通り)赤味の強いオレンジ色になります。
次は米酢を入れるタイミングを変更してみます。4回目以前に入れるとなぜか黄味が増します。3回目に入れたときが最も顕著だったように思います。
そして最後は、赤味の色で染めた後に、紫根の紫色を染め重ねます。これは落ち着いたワインレッドのような良い色になりました。

そうして染め分けたのが上の写真の色糸です。良い色ですね~。
もちろんこれで終わりではなく、次はこの糸をつかった帯の制作です。
大まかなイメージはあるので、これから図案や配色にかかります。さて、どのように出来上がるでしょうか…