染め場紹介と今週の草木染め

染め場紹介と今週の草木染め

 

上の写真は、うちの京町家の工房にある、糸染めをするための作業場です。
左から、横に広めな流し台、左右2つ繋がった流し台、元々あった「おくどさん(かまど)」、元々あった流し台、そして右の端に見切れているのが井戸です。
この一連の並びの中で、シンクは全て合わせると4つ、水道の蛇口も給湯器を合わせると4つ、ガス栓は3口という設備環境になっています。
元々は、古い流し台とおくどさんの跡だけがありましたが、シンク2台と蛇口2つを後付けで設置して、ガス栓も新しく取り替え、おくどさんに天板を付けて作業台にして、現在の形になっています。
ちょっとした実験室や、あるいは厨房のようですが、僕はこの雰囲気が好きです。

この場所ができるまでは、自宅の庭で糸染めをしていました。
あくまで普通の庭なので、流しも1か所、ガス栓も1つ、家の中の台所まで水を汲みに往復して…といった環境だったので、それと比べると劇的に改善した、と長年以前の環境で作業していた父は言いますし、そこまで経験のない僕でも作業効率が全然違うと思います。
この改善に何が最も寄与しているのかというと、流し台が増えたことだろうと思います。
糸染めはとにかく水を使います。
ここでは主に草木染めを行いますが、染液に浸けた糸を水洗いし、今度は媒染液に浸けた糸を水洗いし、そしてそれに使った容器も水洗いし…といった作業の繰り返しです。なので、大量の水とそれを流せる場所が必要になるのです。

今週は、毎夏の恒例行事となっている、庭の紅葉を使っての草木染めをしました。
紅葉の草木染めは、媒染材を4種類使います(アルミ、鉄、銅、チタン)。
なので、各工程も複雑になります。
染液を煮出す。糸を媒染液に浸けておく、染液を火にかけて、糸を浸けて染める。染めた糸を水洗いする。容器を水洗いする。再び糸を媒染液に浸ける。
こういった作業を4種の媒染それぞれのものが混ざらないように、かつ並行して進めていきます。
以前では、流しも火元も少なく作業の順番待ちが多く、朝から始まって夜までかかっていたものが、拡張された水場とガス栓をフル活用することで夕方早くに終わるくらいまでに短縮されました。

このように、文句の付け所のないくらいに良い環境になったと思ってはいるのですが、やはり使っているうちに次の希望が出てくるもので…
現在の水道管は蛇口の数に対して細く、一度に出せる水量に限りがあるので、そこが改善できると尚良いのですが…
と、不満がる前に、今の立派な設備で良いものをつくっていかなければなりませんね。