糸染めは大変だなあという話

糸染めは大変だなあという話

 

ここ最近は、糸染めをする機会が増えています。というより、糸染めばかりやっている、でも過言ではないくらいですね。
この時期(つまり真夏)に糸を染めるというのは、結構ハードな作業です。
糸染めは、湯や水を汲んでは流しと大量に使う、寸胴など大きな容器を火で熱する、といった理由から、屋外とまではいかなくとも、土間などの広めの空間でやるのが適していると思います。
そして、万が一染料の粉が飛び散ってもいけないので、空調や扇風機など風を発するものも使いづらいという面があります。
そういったことで、現在うちの糸染めは町家の土間を使って行っていますが、真夏は空調なしで火や湯を扱う、といった環境です。さらに、糸染めは結構な肉体労働です。
なので、ちゃんとケアしないと熱中症まっしぐらです。
そんな感じで結構ハードな糸染めですが、個人的には、今後長期的に綴の制作を続けていくうえでは、必須科目だと思っているので、できるときになるべく経験値を積みたいと思っています。

図案の作成は、PCの絵を描くソフトを使っています。これは間違えたりした時でも「元に戻す」といったボタンで簡単に数手前の状態まで戻ることができます。またバックアップも自分の思うように作っておけます。
織る作業でも、やり直したいと思ったら、今まで織ってきたところをほどいていけば、再度修正して織っていくことができます。
しかし、糸染めは基本的にやり直しがききません。一度色をつけてしまったら元に戻すことはできません。
ちょっと違ったから、さっきの色に戻したいと思っても、無理です。
色を抜く薬品で糸を白くする方法はありますが、それまでと全く同じプロセスが辿れるかどうかは疑問です。
ここが糸染めの難しいところであり、またスリリングで面白いところでもあります。
「匙加減」という言葉がありますが、匙ですくうほんの少しの染粉を加えるか否かで、染まる糸の印象が本当に変わってくると感じます。
技術や経験ももちろん重要ですが、勇気が一番必要なのでは?と今の段階では思いますね。

いろいろな要因が相まって、自分のテーマに基づいた制作が徐々に進み始めています。
今は糸染めが多いですが、今後は織りの方もスタートしていきたいです。両輪が必要です。