つくる恍惚

つくる恍惚

 

つくるだけでは駄目なんだなあ、
と、ここ最近、改めてですが強く思わされています。

つくる、ということにはいろいろな意味やかたちがあると思いますが、
自分が思い描いたことが具体化する、
ということが、つくるということの核心であり、醍醐味だと思っています。
この美味を求めて、自分は仕事をしている、と言っても過言ではありません。
僕は前職は印刷物の製作、そして今は爪掻本綴の制作をしていますが、どちらも言ってみればオーダーメイドをつくる仕事です。特に爪掻本綴のものづくりにおいては、お客さまのものもあれば、自分自身のオーダーも承ります(つまり自分で考えたものが商品になる)。
自分の思い描いたことが具体化する。それが思い通りになる、あるいはそれ以上のものが出来上がってくる。
こういった時の快感や達成感は計り知れません。
ですが、それに浸ったり、酔いしれてしては駄目なのですね。
そこからが真のスタートだと思わなければならない、そう考えています。

今の時代、綴帯は芸術品ではなく、実用品。
つくって終わりではなく、つくったものを眺めるのでもなく、つくったものがちゃんと使われるように、その道筋も含めて考えないといけないのだな、と。
ここ最近、いろいろな人と話して、改めてそう思い直したのでした。
単に制作するだけでも決して簡単ではないのに、その先まで含めてものづくりをする必要があるとは…しんどくてやり甲斐のある時代になったのだなあ、と思います。