綴、好印象、これから

綴、好印象、これから

先日、Twitterにてアンケートのような内容をツイートしました。

上記の文面のように、
「綴帯には悪いイメージがある」という前提で意見を募っています。

この綴の悪いイメージというのは、個人的には実体験として接したことはあまり無く、大部分は過去の話を聞いたものを知識として持っている、という感じです。
業界の景気が良かったその昔、現在では考えられない量の帯や着物が売れていました。
まだ結納の文化があった時代、綴は婚礼道具にほとんど必須のものとして、よく売れたということです。
需要があったからでしょうが、機械織りの綴帯が安価で大量に製造されました。
国内だけではなく海外で生産されるものもあり、その中には質の良くないものも多く含まれていたとのこと。
生地が硬く、それ故に締めづらく、柄も良くない、それでいて売値は高い…
このような濫造された綴が多く出回り、多くの人の手に渡り、綴の印象を落としていった…
そして、その時代に広まった悪いイメージが、現在に至るまで根強く残っている。
といった情報を聞いているわけです。
とはいえ、その時代に僕はまだ生まれておらず、リアルタイムで体験しているわけではありません。呉服関係者の方々から「昔は綴は○○で~」といった悪印象にまつわる話を聞くこともあるので、イメージダウンしていたことは確かなのでしょう。
しかし、現在では実際のところどうなのか。今のリアルタイムな情報を知りたい。
と思い立ち、呉服関係者だけではなく、着物ユーザーの方の意見も知れたらいいな、と半ば軽い気持ちでツイートしてみたのでした。

結果としては、予想以上の数のご意見をいただき、そして完全に予想に反して、綴に対して好印象を抱いているという方が多かったです。
特に、締めやすい、使いやすい、といった実用面で褒めて下さるコメントが多く、これには驚きました。
中には、こちらの思う本綴の良い点をほとんど代弁して下さっているような内容もあり、嬉しくなりました。
このように、改めて自分で情報を集めてみたら、価値観がちょっとひっくり返った、という現象が起きたのです。

もちろん、予想通り、硬い、使いづらい、といったご意見もありました。
そして、今回いただいたコメントも、このツイートを見た人の中のごくごく一部の方からのものなわけで、ポジティブなコメントが多かったからといっても、以前からの悪印象を持ったままの方というのはまだまだ多くいらっしゃるはずです。
爪掻本綴にはいろいろな魅力がありますが、その中でもうちは日頃から、締めやすい、使いやすい、ということを推しています。
なので、依然残る悪印象をひっくり返すために、現在うちがつくる本綴を手に取ってもらえる機会を増やしていかねば、と思います。

そして、さらに思うこと。
今回の件を受けて、世の中の綴に対するイメージを少し上方修正したわけですが、実際、本当に思っているよりも綴の印象が良かったとして、それでめでたしめでたし、となるわけではありません。
綴の印象を良くすることがゴールではないからです。
すでに綴に好印象を持って下さっている人に、どうすればうちの帯を手に取ってもらえるのか?
そして、そもそも昔のことを知らない人、先入観が無い人、というのもこれから増えてきます。
そのような人々に爪掻本綴というものを選んでもらうためには?
今までとは違った角度から魅力を提案することが必要になってくるだろうな、と強く思っています。