雑記帳

 
サラリーマンから綴織の家業に入った3代目です。
日々の制作のことや思うことを綴っています。

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最初の1本が出来上がって考えたこと

昨年から、長野県の「岡谷絹工房」というところで綴織を織ってもらう、という取り組みを進めていました。 岡谷市にある「岡谷絹工房」は、絹織物を軸にしてさまざまな織物の制作を請け負い、並行して研修生の受け入れや織物体験などを行っている施設です。 元々、綴織を織るということはされていませんでした。そこに京都からはる...

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ものづくりを続けるために

  祖父がまだ存命で、僕もまだ幼かった頃。口癖というほどではないが、話の端々に出てきた言葉が記憶に残っています。「生きていかんとアカンのやから。」当時は、その言葉の意味や意図はよく分かっていなかったし、どういう経験や考えが起因してその言葉になっていたのかはもう知る由もありません。しかし今、自分の中では、この...

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ものづくりに興じるために

2023年になって、あっという間に1月が終わり、もう2月。時が過ぎるのは早いものです。我々のものづくりをとりまく環境も、これまではゆるやかな過渡期といった感じでしたが、ここ1年で激変。あっという間の変化でした。 1番の課題はやはり「人がいなくなること」。もっともこれは伝統工芸の業界では永らく共通の問題だと思...

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飛び魚の帯と、アイデアの組み合わせについて

  日々、制作をする際にどういうことを考えているかというと、大きく2つあります。1つは、作っている品物を使う人が喜んでもらえたら良いな、ということ。そしてもう1つは、その制作を通して自分の中にあるアイデアを形にしたい、ということです。どちらも自分にとっては重要で、どちらかが優先ということはありませんが、順番...

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逆転の大千鳥

  日本の伝統的な文様の1つ、「千鳥」。他の古典文様とは一線を画すような可愛らしさがあり、織物に限らずさまざまなものに用いられ、人気があります。縁起の良い柄として吉祥文様ともされているようですが、フォーマルな用途では見かけることは個人的にはほとんど無く、カジュアルなシーンで使われることの方が圧倒的に多いよう...

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「転がる四角」の帯について。

  「次、何つくろうか…?」というのは、制作を続けていく上で避けては通れない問いとなります。爪掻本綴の帯は、大量生産ではなく1本ずつ織るのが基本です。これはつまり、基本的に同じものを作らない、ということを意味していて、既存の柄であっても以前と同じ配色ではなく、どこかをアレンジして制作します。もちろん新作も精...