日々の制作

ものづくりの日々を切り取ってみました。

新色の大千鳥

大きな千鳥の柄。
新しい色のものを制作しました。

帯幅から余裕ではみ出す大きさの千鳥。
これは結構なインパクトがあるようで、見る方々から驚いたり可愛がったりしてもらえています。
よくある小ぶりな千鳥柄から思い切って真逆の表現にしたということで、珍しくもあるようです。

そんなちょっと変わった千鳥の帯。
帯として使うとなると、どのような見え方になるか。

この大きな千鳥は、お太鼓にするとちょうどぴったりになるくらいの大きさになっています。
それを色の違う2枚の着物に合わせたのが、1枚目と2枚目の写真です。

今回の制作では、少しピンクがかったグレーを地色にして、その上にピンク/パープル系統の2色で千鳥を表しています。
さまざまな色と相性が良いように、配色をしています。

そしてこの柄、お太鼓での見え方にも少々工夫をしていて…

2枚目の写真は、千鳥が全て見えるように形を作っていて。
それに対して1枚目は全体が収まらず少し見切れるようにしています。
これは何を意識しているかというと…
2枚目は、ずばり大きな千鳥の柄。
1枚目は、千鳥の目が太陽(もしくは月)、模様が波を表して、海辺の風景の表現にしています。
前者は少し遊び心を。
後者は品の良さを取り入れて…
といったイメージで撮影しました。

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この千鳥、いろいろな見え方がある柄だと思います。
ということは、いろいろな見せ方があるということでもあります。
一見して単純なものの中には、実は意味や意図が含まれていることもあったりして、そういったものを仄かに香らせる…というのも一興ではないか、などと思っております。

 

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