職人の櫛
木製の櫛。綴を織るための道具です。
タテ糸に通したヨコ糸を強く詰めるときなどに使います。
爪で糸を掻き寄せて織るのが爪掻本綴ですが、爪のみで織り進めるわけではなく、こういった櫛や他の道具も使いながら絵柄を形作っていきます。
面白いのは櫛の歯です。
これは昔の職人さんのものだと思いますが、元々は横幅いっぱいまで歯が並んでいたはずですが、今は少ししか残っていません。
おそらく、細かい部分を織りやすくするために、意図的に歯を欠けさせていったのでは、と思います。
実際に、柄部分ではかなり使いやすいです。
今、手元にある他の櫛も、多かれ少なかれ歯が欠けているものがほとんどです。
こうやって職人さんは道具をカスタマイズしていたのだろうな、と思います。
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