日々の制作

ものづくりの日々を切り取ってみました。

色の揺らぎ

色の揺らぎ。

昨年末に織り上がってきました。
「彩錦」というシリーズの最新のものです。

通常のぼかしとは違った方法で織りなす色の表現。
大胆な染めの工夫と、細やかな織りの調整によるものです。

今回使っている色はわずかに3色。
しかし、それぞれの濃淡のグラデーションと、それが隣同士重なり合うことで、複雑な色彩が生まれます。
「色の混ざり」というものを強く意識して、このシリーズは制作します。

今回は青、茶色、そして灰色。
それぞれの色がそのまま見えるところもあれば、全て重なり合ってまったく違う色に見えるところも。
実際に混ざり合っているわけではない。
色糸が1越ずつ並んでいるだけなのにも関わらず。
人の目とはかくも不思議なものだと、これを作る度に実感します。

同じものは2度と生まれないこのシリーズ。
次はどのようなものになるでしょうか。

CATEGORIES