光の中の霞
霞(かすみ)の柄…というものは、
綴では割とベーシックに用いられるものだと思います。
文様化された霞というよりは、現実のもの、
薄白くぼうっとかかる、霧やもやのような現象をさまざまな色を使って表現されることが多いです。
この帯の霞は、金銀糸だけを使って表されています。
濃淡の4色。シルバーから濃いめのゴールドまで。
適度に地色を織り交ぜながら、印象は少し控えめに、その中にアクセントもつけて…
といった塩梅で、品の良い霞柄になったと思います。
ふと考えてみると、霞も、金銀の糸も、光があればこそ…だなと。
光が当たって、姿形が分かる。
光によって、見え方、あり方が変わる。
そんなことを思ったので、いろんな光のもとに帯を置いてみました。
面白いもので、光の加減によって見え方も輝きも違ってきます。
それは、自在に形を変える霞そのもののようです。
時間や季節の移り変わりによってもまた、異なる彩りになるでしょう。
霞柄は、昔から愛されてきた1つの古典。
ずっと続いてきたものの魅力というものを改めて実感している次第です。



