日本茜の色々
茜色…といえば「赤」。
でも、日本茜が秘める色は赤だけではありません。
染め始めは橙のような色に染まります。
そして2番、3番と染液を取るにつれてだんだんと赤みが出てきます。
その間で揺れ動く色々を染め分けるのも日本茜染めの1つの醍醐味だと思っています。
先染めの織物は、糸に色を染め重ねることができるのが面白いところです。
後染め、つまり布に色を染める、あるいは布に色を描くという手法だと、何度も何度も上から色を重ねることが難しいと聞きます。
一方で糸染めの場合は、比較的自由に色を染め重ねていくことができます。
橙の上から赤を重ねる、という風に。色を混ぜるような感覚です。
そうしていくと、1つの素材と同じ媒染剤から豊かな色展開を生みだせる。これは魅力的です。
加えて、綴織というのは経糸は表に見えず緯糸だけで表現するという技法。
従って、さまざまに染め分け染め重ねた日本茜の色が、そのまま直に表れる織物となる。
ではどのような表現だとこの色々が活きるのかと考えると、「シンプルに並べる」という結論になりました。
そうして今回制作したのが、この半巾帯です。




