蝶と七宝
新しい柄の帯が織り上がってきたので、飾ってみました。
ただ白色を背景に撮るのも単純だな、と思ったので、ちょっと趣向を変えて、良い雰囲気を感じられたら…と写真に収めました。
どのようなイメージをお持ちになられたでしょうか。
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新しい柄を考えるとき、ポピュラーなものをそのままストレートに表現するのが、最も分かりやすく伝わりやすいと思いますが、どうしてもそこに何か少しの工夫を加えたくなります。性格でしょうか。。
この柄だと「蝶と花」でもあり「七宝繋ぎ(くずし)」でもある…といったつくりになっています。
前々から七宝繋ぎの柄を見るたびに、その一部が蝶に見えたり花に見えたりしていて、この感覚を何かに活かせないかと考えていたのでした。
○○であり△△でもある…というのを成立させるのは難しく、ともすれば無理矢理感の漂うものになってしまいますが、作為的なものをなるべく感じさせることなく、でも「何かあるのかな?」と引っ掛かりのようなものを感じてもらえればありがたいな…と贅沢なことを考えています。
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この柄の図案を大ベテランの女性職人さんにお見せした際、開口一番「あら、可愛い」と仰ってくださいました。
なんだかんだと意味をこねくり回して、意図を考えてはいますが、目にしたときに自然に「良いな」と感じてもらえるのが一番嬉しいものです。
外見の印象と、その中身に込められたもの。
どちらも併せて受け取ってもらえれば、最高ですね。
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