日々の制作

ものづくりの日々を切り取ってみました。

糸はどんな旅をするか

糸はどんな旅をするのか。

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左側の写真、紫根染めの糸による配色です。
いつも通り、出来上がりが楽しみです。

ところで、いつも配色を考えているのは京都の仕事場なわけですが、その後、配色糸が実際に織られるのは同じ仕事場ではなく、今は出機さんへお願いしています。
出機(でばた)とは、ご自宅等で織仕事をしている職人さんのこと。

配色を組んだ糸は仕事場から出機さんのところへ預けられ、そして綴の織物になって帰ってくるというわけです。

そして、これら配色糸を一回の製織で全て使い切るということはほとんどありません。
必要な分だけが綛から取られて、余った分は戻ってきます。そしてまた次の出番のときに別の柄の配色の一部として出機さんのもとへ赴くのです。

以前は遠方の出機さんもいらっしゃたようですが、近年では京都の中の方だけになっていました。なので糸もその範囲の内でぐるぐると。

そんな中、今回の糸は珍しく遠方へと行っています。
長野県は岡谷。昨年から取り組みを進めている、岡谷絹工房での綴織。2本目の帯です。

右側の写真。ちょうど織り手さんが柄を織っている最中です。
整然と並ぶ四角形の色として、今回の紫根染め糸が使われています。

京都から遠く離れた地で美しい織物になって、そしてまた京都へ帰ってくることでしょう。
出来上がりを楽しみに待ちたいと思います。

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