日々の制作

ものづくりの日々を切り取ってみました。

唐草の柄を織るためには

唐草の柄を織るためには。

蔓が成す曲線の優美さと、草花の華やかさを併せ持つ唐草の柄。
最もポピュラーのものの1つといえるだろうと思います。

私たちの中でも昔から人気のあるこちらの柄。
お太鼓いっぱいの大きさに、色とりどりで動きのある蔓唐花が華のある印象を醸し出すこの柄ですが、同時に、なめらかな曲線や細かい部分をしっかりと織りで表現できる力や、要所での色のぼかしを美しく入れられる感覚など、総合的な技量が問われる柄でもあります。

この帯を織ったのは、若手の職人さん。
(この方 @minamo_tsuzure )
綺麗に、そして緻密に柄を織り上げる、確かな腕をお持ちの方です。

その職人さんから、帯とともに写真も届きました。
それが2枚目以降のもの。
ご自身が柄を織り進めている過程を撮影したものです。

ざっくりと時系列ですが、だんだんと柄が出来上がっていく流れが見て取れると思います。
よく見ると、どの部分を先に(もしくは後に)あるいはどのような手順で織られているか、ということも分かってくるものです。

実はこれら過程の写真は、織機の下に潜り込んで、生地の表面を撮影したものです。
立って(あるいは座って)織機や生地を見下ろす姿勢で見えるのは裏面。写真に収めるときも普通は裏面だけを撮影します。
裏からでは見えない表面の難や粗があるかどうかの確認も兼ねて、わざわざ下から撮影されているのかもしれません。

こういった過程の記録というのは、ベテランの職人さんはもうされていないだろうと思います。
なので、織りのプロセスがこのように見れるのは、自分にとっても希少なことです。
そして、この若手の職人さんにとっては、進捗の記録に加えて反省や研鑽の材料にされているのではないでしょうか。
唐草の柄を美しく織るためには、そういった積み重ねが重要なのだろうと思います。

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